仕事と時間
ブログ名をつけてみた。
ブログ名というものは書いていく内容を抽象的になるべく小さく収まるように表したものがふさわしいのだろうけど、私は特に何かテーマを絞って書くつもりはない。気ままに好きなことや感じたことを脈絡なく書いていくというイメージで、適当に名付けてみた。しばらくしてしっくりこなかったらまた変えるかも。(「振り返れば〇〇」で考えてもみたが虚無しか思い浮かばなかった)
さて今回は残業について少し思うところがあったので、自分の今の考えを整理しておくためにまとめてみることにしました。(ほぼ愚痴です)
今私の働いている部署では全体的にとても忙しく、私を含めほとんどの人が一月あたり残業30時間前後をつけている。これに対して他部署の人にはあまりいい顔をしない人もいる。その人たちの言い分は概ねこうだ。
「残業は悪である。残業は非効率で仕事のできない人達のやることだ。もしくはお金を貰いたいがためにわざと残っているんじゃないのか?」
そこまではっきり言われることはないが、そう思ってるんだろうなぁと顔から読み取れることが往々にしてある。別にその人たちが意見することを否定はしないし、部分的には正しい側面もある。だが個人的には残業という行為は善悪では一概にいえず、個人の価値観に帰属する問題なのではないかなと私は考えている。
一般的に、仕事量と労働時間は以下の式で表される。
仕事量 = 生産性 ✕ 労働時間
労働時間が一定値を超えた場合に残業が発生し、その説明変数は仕事量と生産性の2つである。それぞれについて見ていこう。
【仕事量】
絶対的な仕事量については会社の一歯車にはどうしようもない問題である。部署全体の仕事を適材適所で振り分けながら、出来るだけミスなく増やさないようにこなしていくしかない。そもそも他部署との残業格差がある事自体、会社という組織全体からみた最適化が上手くいってないことの証拠ではないのだろうか。文句を言っているホワイト部署からはどんどん人を引っこ抜いて、ブラック部署へ放り込んどけば全て解決するはずである(過激派)。
【生産性】
仕事の生産性には①純粋な処理スピード ②仕事へのこだわり具合の2要素が挙げられる。
①処理スピード
一般的に仕事を早く終わらせる人は①処理スピードが早く、仕事のデキる人だというイメージがあるため評価が高くなる(実際にその傾向はある)。
だがスピードは(特にJTCでは)その人のそれまでの経験、すなわち労働時間に比例する。
そのため仕事量∝生産性✕時間かつ生産性∝時間になることから、仕事量 ∝(時間)の2乗ともいえるのではなかろうか? そしてそれを踏まえると、若いうちにたくさん残業して経験を積んだほうが、全体で見ると定年までに消費できる仕事量が増え、結果的に会社の利益になっているのではないだろうか??
もちろんワークライフバランスが崩れないことを前提にした議論ではあるが、たくさん働きたい人に対しても画一的に残業=悪と押し付けるのはどうなのかなと思う。
② こだわり具合
仕事へのこだわり具合は、その人の性格と価値観によるものなのであって善悪で割り切れるものではない…と言いたいが残念ながらそうはならない。労働者は会社に労働時間を提供する代わりに付加価値を出していく義務があり、一定時間内での価値を最大化する努力が求められる。伝統工芸品を作る人間国宝のおじいちゃんとかであれば別であるが、基本的には素早く効率よく見切りをつけていくことも求められる。
ただしこれは短期間あたりの成果で考えた場合の話である。長期間でみた場合、「効率=善」「無駄=悪」とは言い切れない。
ある問題について繰り返し何度も考えることでその隙間が見え、常識の誤りに気づき、新しいアイデアが生まれることがある※。ごく狭い範囲の例えにはなるが、将棋のある局面を何度も思い返しているうちに、新しい手がひらめいたことはないだろうか?
仕事においても効率を追い求めすぎることは、そのようなひらめきの機会を奪ってしまう。そして長期間でみた場合、実は成果がより少なくなる可能性もありうるのだ。 (「定時で帰らせた場合の方が成果は高かった」とかの研究はこの観点が抜けていると思う。)
※ 脳科学的にはダイナミック・センターコア中のA10神経群を通る回路によって生まれた感情を伴う「心」と、記憶機能を通る回路によって生まれた「考えの正当性=信念」により「考え」が生まれる。それぞれ渦巻き型の神経回路を持っており、人間の思考とは繰り返し考えることによって高まることがわかる。 (「脳に悪い7つの習慣」林成之より)
あと個人的には、まだ頑張る余力と時間があるのに考えることを放棄して課題を諦めるという行為が、どうしても性に合わないってのがあるかもしれない。
まあそんなこんなで、残業=悪と脳死で決めつけられるのが少し癪だったのでいろいろと書いてみた。おそらくこの価値観は相容れない人の方が多いような気もするが、そういう観点もあるということで。
ちなみに私の座右の銘は「見切り発車」である。
(会社向けに書いたやつは「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている意味がない。」)
最近メンタルがぶれぶれなので次はメンタル論でも書いてみようかな。
それではまた今度。